2016年5月26日木曜日

ロード第十三章。

なーんでか昔の話をさっき急に思い出してその時の感情が込み上げてきたので書いてみる。

バイトしてたガソリンスタンドはマンションと併設していてマンション側のご好意か何かでゴミはマンションが管理するゴミ集積所に出していた。

俺が働き始めてしばらく経った頃にマンションの清掃員のおじさんがやって来て言った。
「あんまり言いたかないんだけどさ、お宅のゴミは分別がすごく悪くてこっちで袋全部開けて分別やり直してるんだよね」と。
その事実を知らなかった俺は平謝りをして一番下っ端ではあるが店長、社員、他のバイトにこれからマンション側に迷惑をかけないよう分別をちゃんとしよう!俺が分別担当になる旨を伝え次の日から可燃ゴミ、不燃ゴミ、アルミ缶、スチール缶、ペットボトル、ペットボトルのキャップ、瓶と7種類のゴミ箱を設置。
瓶、缶は一度中を水で洗い逆さにして一晩置き水分を完全に切った状態で分別、ペットボトルも同じくだがラベルを剥がしキャップは別にした。

コンビニ系の弁当や缶に突っこまれた吸い殻も一度綺麗に洗い水分を切って分別。
マンション側がゴミ袋の下に溜まるコーヒーやジュースを特に嫌ったのでストロー付きのカフェオレや牛乳などはストローに残った水分を切りパックを開いて洗い一晩干して分別した。

最初の一週間くらいは慣れずに面倒でしょうがなかったがそのうち責任感が芽生えやり甲斐も感じるようになり俺は臭いや汚れが気になっても細心の注意を払い分別を毎日続け、社員や店長が雑な分別をした時は注意してやり直してもらったりもした。



そして数ヶ月経った頃いつものように清掃員のおじさんと朝の挨拶を交わすと「最近ゴミの分別完璧だね!ありがとう。」とお礼を言われとても嬉しかったとともにこの時には分別することは当然でむしろ感謝されることに違和感があった。

それから2年ほど経ち7種類の分別は店員の中では常識として根付き日々が経過していった。
そんなある時店長と社員が他エリアに移動となり新しい店長と新しい社員が入れ替わりで編入されてきた。

実はマンションの住人と同じゴミ集積所にゴミを出すという店舗は珍しく通常は事業ゴミとして業者が回収に来ていた。

新しい店長も社員も最初は7種類にもなるゴミ分別に面食らった感じでぶつくさ言いながらめんどくさそうにやっていたが移動してきて3日もしないうちに新しい社員と店長がゴミ箱の前で「なーんでこんな面倒なことやらなきゃいけないんだ?時間の無駄だから本社に掛け合って事業ゴミの手続きにしてもらおう」と話し合っていた。
俺はなぜこの店がマンションと同じゴミ集積所に出すようになったきっかけも知らないし働き始めた時からそうだったので面倒だとは思わなかったし何より綺麗に分別するのも性格上向いていたし苦ではなかった。
そして清掃員の方や住人とも集積所で挨拶を交わしたり雑談するまでの仲になっていたからちょっとした寂しさもあった。


一週間ほどして申請はあっさり通り今後事業ゴミとして週二回業者のトラックが回収にくると伝えられた。
そして一人の社員が俺がゴミ箱の前にイラスト付きで7種類の分別や注意点を細かく書いた(一番下には赤の太字で皆さんよろしくお願いします^_^)大きな貼り紙をいきなり俺の眼の前で無表情でバリバリバリバリと剥がしクチャクチャに丸めてゴミ箱に投げ入れ「あーこれで面倒な分別なくなって良かったな!」と7つのゴミ箱を3つにして分別は可燃、ペットボトル、缶&瓶でいいとみんなに通達した。

次の日から弁当の食べ残しがあろうがジュースやコーヒーの中身が入っていようが関係なくバンバン捨て始めた。
でもやっぱり俺はなんだか気持ち悪くて今までやってたように飲み物は中身を捨てたりなるべく水分を切るよう出してたんだけど今まで一緒にやっていた他のバイトまでも「もう水分切ったりしなくていいんだよ」と俺を変わり者を見るような目で笑いながらゴミを捨てた。
当然ゴミ袋の底にはコーヒーやジュースや弁当から出た汁が混ざって溜まっていたが業者はそんな事はお構いなしで荷台にゴミ袋をぶん投げすぐさま去っていく。

なんとも言えないような感情。
まるで今まで一生懸命頑張ってやってきたことを全て否定されたような気分だった。
もちろん事業ゴミとして扱われるため細かい分別も必要ないし面倒な作業が無くなり喜ぶべきなんだけどなんだか気持ちを踏みにじられたような気がして寂しかった。

集積所に行くこともなくなり清掃員のおじさんとは会釈する程度になり俺もいつしか細かい分別を忘れ何の感情もなくただゴミ箱にゴミを投げ込むようになっていた。

そんなことをなぜか急に思い出した昼下がり。

※本文と画像は一切なんら関係ありません。


2016年阿波踊りへの旅。〜その35〜

19:00-22:00
東京新のんき連全体練習@座高円寺

2日後に控えた井草公園での演舞前の最終調整。
ストラップの長さをちょっと調節したら随分叩きやすくなった。
しかし細かいミス連発だったな…
とにかく当日は楽しんで叩こう。


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